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《 磯 良 の 海 》

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磯良の海に想いを寄せて

さだまさし と 北原白秋 ②



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りんどうの花




白秋歌集『桐の花』の第二弾です



まずは さだまさし の楽曲 



『 凛憧-りんどう- 』の 歌詩を紹介します





《 凛憧ーりんどう-》




父と共に 城跡から見おろす



夕焼けが好きだった



息を切らす 肩に置かれた



手の体温(ぬくもり)はもっと好きだった




ある日 父が いつもの気まぐれに



僕を抱きしめたりしたが



そのままじっと 声も立てず



静かに泣いたことがあった




その朧気(おぼろげ)な 記憶がいつか



重さを増すと 知るはずもなく



幼い僕は 何か恥ずかしく



崖の淵に咲いた




薄紫の花を じっとみつめていた



早咲きのりんどうと



それは あとで 知った





僕が父の 涙を見たのは



その一度きりだった



祖母を送り 友を送り



その時にも 涙は見せなかった




あれ程に 可愛がった妹が



嫁ぐと決めた日も



ただ おだやかな 父の姿に



僕はふと あの日を思い出した




父といえど 男といえど



時の はざまに 落ちる刻(とき)がある



今となれば わかることがあり



そっと 胸が つまる




花嫁の父が今 少し照れた背中で



娘から花束を 贈られているところ




薄紫の花が じっと見つめていた



遅咲きのりんどうと



それは すぐに わかった






りんどう は 漢字で 竜胆 と書きます



何故か さだは 凛憧 と書いています



この 漢字は見当たりませんので 当て字でしょう



本人に聞いてみなければわかりませんが 



凛とした 憧憬の花だと 私は勝手に解釈をしています






さて 北原白秋の歌集『桐の花』 哀傷終篇の中に



こんな 句 がありました




男なきに 泣かむとすれば竜胆 わが足もとに光りて居たり




さだまさし は この句をイメージして



父との 思い出を〈詩〉にしたものでしょうか




決して 涙を見せなかった父が 一度だけ泣いた



その辛さを 一度だけ 息子の前にさらけ出した



その姿を 凛憧(りんどう)という 花に重ねた 



さだまさしの世界が この詩の テーマです




かたや 北原白秋が どんな思いで この句を読んだかは



私には 読めません 俊子とのスキャンダルで歌壇での評価が



地に落ちた時のことであったのかもしれないし、



事実 三崎に引っ越した時には かなりのノイローゼ状態で



自殺未遂も起こしているし




涙した時に そこに竜胆の花が咲いていたのでしょうが



さだの父と 白秋の流した 男の涙の質は違うようです






今朝 目が覚めて 毛布の中で 



りんどうの花の事を考えていました



りんどうは 熊本県花だからではないですが 



八代 の 長男に



『明後日 酒でも呑まないか』 と LINE を送りました



『よかよ!』軽く返事が来ました



何か話があるでもなく ただ息子と酒を飲みたくなっただけです




さだまさしの父は 凛憧の花だそうだが



ちなみに 俺はお前達からみたら 何の花だ なんて



聞けるわけがない 何せ 何度も 何度も 



息子達の前で 泣いてばかりの父ですからね





来月 久しぶりに 



さだまさしのコンサートが 福岡であります






by nonkei7332 | 2020-10-21 14:29 | 日記 | Trackback | Comments(0)

by イソラ