東山魁夷 の 世界
東 山 魁 夷 (ひがしやまかいい) 1908 ~ 1999
『 東山魁夷展 自然と人、そして町 』
九州国立博物館には 多くの人が訪れていました
一生に一度でいいから 東山芸術に直接触れてみたい
私もそんな 一人 でした
誰人にも そう思わせるほど
東山魁夷 の絵には 神が宿っています
今回の 目玉は 唐招提寺御影堂の障壁画だと言われていますが
90点もの 多くの風景画は 無駄がない 統一された構図です
静けさと 神秘さを醸しだす 青と白 の色彩の前に立つと
魂を奪われたように その世界の中に 吸い込まれていきます
多くの作品の中から 絵の前で 足が動かすことができなかった
三点の絵がありました
(購入した絵画集を撮影しましたので 実物とは多少色合いが異なります)
「年暮れる」1968年作 山種美術館蔵
大晦日の京都の町家の景色が描かれています
静けさの中に 神の降り立った 家々の平和への 祈りが見えてきます
「行く秋」1990年作 長野県信濃美術館蔵
魁夷 82歳の作品です ドイツ北部の郊外の秋の景色です
金箔を散らした 楓の落ち葉には 冬に臨む 老いた人の寂しではなく
生命の全てを吐き出したような 荘厳な輝きが 心を打ちます
「静唱」1981年作 長野県信濃美術館蔵
パリ郊外のソー公園の景色です
私が最も好きな 魁夷の絵です
ポストカードを買い 小さな額縁に入れて リビングに飾りました
東山魁夷 は日本人です
日本の美しき山や海の情感を 唯一描ける 稀有の画聖です
北欧の森を描いたとしても その目線の向こうにあるのは
日本の山河のような気がします
絵の前に立つと 金縛りにあったように 動けなくなります
そこには 多くの苦しみや悲しみを乗り越えてきた
日本人としての 自然神への 祈りが
私に 憑依してくるからでしょうか
北欧旅行中の 東山魁夷 撮影 : 寺島照夫
by nonkei7332
| 2016-08-24 11:30
| 日記
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