翡翠(かわせみ)の里
九州国立博物館
開館10周年記念特別展
『美の国日本』を 見るために
太宰府 五条に住む 姉を訪ねた
秋の陽が穏やかな 中を
御笠川 沿いを 散歩しながら 歩いた
30年前に この近くに住んでいた私には
想い も 古(いにしえ) も 深き 思川(御笠川) なのだ
川沿いに 太宰府市役所があり
上流を望むと 源流である 御笠山(宝満山) がそびえる
この道は 姉の毎朝の 散歩道
以前 「カワセミ」を見た と聞いた事があったので
そんな話をしながら 歩いていると
チチーと鳥の鳴き声が聞こえた
「あっ カワセミ」と 姉が 言った
10mぐらい 先の 川面に 青い羽根をした 鳥が横切った
「やったー カワセミ だ」思わず 私も叫んだ
カワセミ は 向こう岸の ヨシの葉に止まっていた
しばらく 立ち止まって見ていると
瞬間 水面に コバルトブルーの 色が拡がり 水柱が立った
カワセミ が小魚を 捕らえたのだ
そして あっというまに 何処かへ 立ち去っていった
「あっ すごい」
なんという 嘘みたいな ほんとの 初めての 出逢いだった
カワセミ は いくつもの名前がある
〈川蝉〉・〈翡翠〉・〈魚狗 〉
〈川蝉〉は 蝉のよう鳴くから とか
背中が美しいから (川背美) が訛ったからといわれている
〈翡翠〉というのは 中国でのこの鳥の呼び名で
赤い羽根と青い羽根を持った鳥という意味だという
翡翠(ヒスイ)という宝石の名前がこの鳥の名前になったのではなく
鳥の美しさが 宝石の名前になったようだ
〈魚狗〉は 魚を食べるからの名前だといわれている
〈狗〉という字は 〈食べる〉という意味なのだろうか
筑後川の下流で取れる ヤソ という魚 を 『狗母魚』と書く
筑後川下流を 古代『狗奴国』といったので
面白い解釈 が できる つまり
《 母を食べる魚がとれる 国とは 母なる国である奴国を食べる国 》
《 奴国 を 滅ぼした 狗奴国 》
万葉集には 鳥の詠まれた歌が 600首あるというが
これだけ美しい 〈かわせみ〉の歌が 一首もないというのも
不思議 でしかたがない
妄想は また 新たな 妄想を作ってしまう
途中 『光明禅寺』に寄った
紅葉には 早いが 秋の気配 が 漂っている
階段を上って 梵鐘の横からの景色 に思わず シャッター
柿の木の向こうに 四王寺山 が美しい
宝満山と共に この山にも 多くの 神話が隠されているのだ
by nonkei7332
| 2015-11-01 22:32
| 菅公・太宰府
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