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《 磯 良 の 海 》

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磯良の海に想いを寄せて


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目覚めは おおよそ6時と決まっている
この季節の日の出は 5時30分 前後なので
蝉の 合唱が始まる時間だ
合唱なのか 合掌なのかは 蝉に聞いてくれ

目が覚めてまず最初にすることは
さっきまで見ていた 夢 を思い出す作業だ
もういちど 眠りの中へ戻り
見ていた夢を頭の中で整理する
脳の中の 海馬 の扉はなかなか開いてくれない時もあるが
強引に その結界をこじ開けるのだ
小学生の作文みたいな ストーリーが組み上がると
それを IPAD に 打ち込む
あらかじめ 私の IPAD には 夢日記 のアプリがあり
私の全ての時間と空間を超えた
記憶と記録が この日記につまっていて
門外不出 の 機密文書 である

それが終わると ベットの上で ストレッチ を始める
身体じゅうの関節を ひとつひとつ 時間をかけて 伸ばしていく
特に 股関節のインナーマッスルには 時間をかける
15分のストレッチが終わると 血圧を測り
常温の水をコップ一杯飲む

これで やっと ベットから 離れることができるのだ
寝室とリビングのカーテンを開ける
ベランダをのぞき 花達に おはよう とあいさつをする
台所に行き ティファールで お湯を沸かす
その間に トイレに行き 体重を測り
歯を磨き 顔を洗う
台所に戻って 沸かしたお湯でコーヒーをドリップする
ソファーに座って 熱いブラックコーヒーをのみながら
IPAD で ニュースと天気予報を確認する

ここまでが ほとんど 毎日 変わることがない
私の朝の風景である b0325317_08382867.jpg


独り住まいの 老人が 呆けないためには
「教育」と「教養」が 必要だという
・(今日行く)ところがあるか?
・(今日用)があるか?


あいにく 今日の私には 行く所も用もないから
呆けまっしぐらということなのだろうが
今日は 立秋だ
小さい秋でも見つけに
外に出ようかと考えてみた














# by nonkei7332 | 2014-08-07 08:44 | 日記 | Comments(2)

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『 大 伴 旅 人 』(おおとものたびと) が


大宰府の帥(長官)として赴任したのは 63歳の時である


多くの官職をこなしてきた 旅人にとって


遠の朝廷(とのおみかど)太宰府は 彼のドラマティックな人生の


最終舞台にふさわしい場所となった



《 やすみしし 我が大君の 食す国は 大和もここも 同じとぞ思ふ 》


巻6ー956


意味 : わが大君(天皇)が治めていらっしゃる国は、


大和(やまと)もこの大宰府(ださいふ)も同じだと思いますよ。



心境 穏やかな 旅の始まりだった


翌年の春 大宰少弐に遷任された小野老を祝い 旅人は 宴を催す


多くの 客人の中には その後 旅人の歌人として


の才能を引き出し 永遠の友となる 二人の人物がいた


一人は 筑紫観世音寺別当 である 『 沙 弥 満 誓 』 (さみまんせい)


参席者の多くが 都への望郷の情にひたる中


満誓はこんな歌をうたって 座を盛り上げた


《 しらぬひ 筑紫の綿は 身に付けて 未だは着ねど 暖けく見ゆ 》

巻3ー336

意味 : 筑紫の綿(わた)で作った衣は まだ着たことはないのですが 暖かそうですねぇ


(筑紫の女性は あたたかそうですね)



そして もう一人は 『 山 上 憶 良 』



《 憶良らは 今は罷らむ 子泣くらむ それ その母も 我を待つらむぞ 》


巻3ー337


意味 : 憶良どもは もうこれで失礼致しましょう 家では子らが泣いているでしょう


そして その母も私どもの帰りを待っていることでしょう



憶良は 都への望郷の念にも 筑紫の女を暖かい


綿に譬えた 満誓 の艶笑にもなびくこともなく


参加していた下僚たちを代表し 主人の旅人に


辞去の歌を捧げたのである


後日 この宴が生涯続く友情の出発点となる


旅人の大宰府の赴任 は 単身赴任ではなかった


長年連れ添ってきた妻(大伴郎女)も子(家持)も連れての旅であった


その妻が 翌年 亡くなったのだ


旅人の悲しみは尋常ではなかった


《 世の中は 空しきものと 知る時し いよよますます 悲しかりけり 》


巻5-793


意味 : この世の中が儚く空しいものであるということを思い知った今


さらにいっそう深い悲しみがこみあげてくるものです


旅人は 大きな悲しみを忘れるために 酒に溺れていきました


《 験なき ものを思はずは 一杯の 濁れる酒を 飲むべく あるらし 》

巻3ー338


意味 : なんの役にも立たないことを思うくらいなら


一杯の濁(にご)り酒を飲んだほうがましだよね



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御笠川の カルガモの親子



荒んでいく旅人を見て 山上憶良は挽歌を贈ります それをきっかけとして


その後「筑紫歌壇」といわれる 「万葉集」に収められた数々の歌が


少弐小野老(おゆ)


観世音寺別当 沙弥満誓(さみまんせい)



大伴坂上郎女


などの人々と共に 詠まれていきます



酒を飲み 友と歌を詠み 少しずつ 癒されていく



旅人の前に一人の女性が現れます



『 娘子(おとめ)児 島 』です


児島は「遊行婦女(うかれめ)」と呼ばれる


宴席に侍り詩歌音曲を奏する云わば芸妓です


が そうそうたる 万葉歌人と同席して歌を詠むだけの


品格と教養を兼ね備えた 女性でした




話はそれますが


万葉集には四人の 遊行婦女(うかれめ)が名を残しています

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「土師(はにし)」


「蒲生(かまふ)」


「左夫流児(さぶるこ)」


そして「児島(こじま)」です


この様な 遊行婦女


と呼ばれる女性達は




その後も 傀儡女(くぐつめ)とか


白拍子(しらびょうし)と呼ばれ


歴史の表裏に登場します


彼らは人形に人の穢れを移し、


舞わすことによって穢れを祓う役目を


果たしていたようですが


遊女である白拍子も 自分自身に穢れを移して、


舞うことによって 穢れを祓っていたのです


白拍子は直垂(ひたたれ)・立烏帽子(たてえぼし)姿ですが


これは巫女の衣装ともとれます


白拍子を舞う女性たちは遊女とはいえ


貴族の屋敷に出入りすることも多かったため、


教養高い人も多く


平清盛の愛妾となった 祇王や仏御前


源義経の愛妾となった静御前


後鳥羽上皇の愛妾となった亀菊などが知られています


(NHKの大河ドラマ平清盛で 松田聖子が演じた


祇園女御も白拍子ですね)


(右上の絵は 北斎による 白拍子姿の 静御前)



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水城趾




話を戻しますが


旅人にとっては 児島との甘美な日々は



「最後の恋」だったのでしょう


しかし 満誓のいう 「暖かい綿に包まれた」日々は



長くは続きませんでした


旅人は大納言に昇進し、都へ戻ることになったのです



都へ帰る日 旅人の一行は 大宰府を離れ


馬を『 水 城 』に止め、府(太宰府の庁舎)を振り返ります


その時 府吏(太宰府の官吏)の中に


見送る 遊行婦女 が 一人居ました 児島でした


彼(旅人)と二度と会えない ことを歎き



涙を拭い 袖を振りつづけるのでした


当時は 袖を振る行為というのが


最大の 愛の告白表現 だったのですね

 

旅人を見送る 児島の歌です


《 おほならば かもかもせむを 畏みと 振りたき袖を 忍びてあるかも 》


(巻6ー965)


意味 : 普通の人ならああもしたいこうもしたい


でも貴方は偉いお方なので 振りたくてならない袖も じっと我慢しています


 

《 大和道は 雲隠りたり しかれども 我が振る袖を なめしと思ふな 》


(巻6ー966)


意味 : 大和への道は雲に隠れているくらい遠い(それ程、貴方と私の身分は違います)


そうであっても 私が振る袖を無礼だと思わないで下さい

 

 児嶋に贈った 旅人の歌二首である。


《 大和道の 吉備の児島を 過ぎて行かば 筑紫の児島 思ほえむかも 》


(巻6ー967)


 意味 : 大和へ行く途中にある吉備の児嶋を通る時には、


筑紫の児嶋をきっと思い出すであろう


《 ますらをと 思へる我れや 水茎の 水城の上に 涙拭はむ 》


( 巻6ー968 )


意味 : 立派な男子と思っている私が 水城の上で 涙をぬぐってしまった



周りもかえりみず 袖振る児島の姿に思わず


感涙する自分に びっくりしたのだろうか


旅人の最後の恋は終わった


都に戻った 旅人 は独りに戻ります


《 ほほ人もなき 空しき家は 草枕 旅にまさりて 苦しかりけり 》


(巻3ー451)


意味 : 人気のないがらんとした我が家は(草枕)旅の苦しさよりもなお苦しく切ないものだ



旅人の人生の長旅が終わりに近づいていた


懐かしい我が家も



彼にとって心安らぐ場所では もはや なかった


そんな折 太宰府の沙弥満誓から歌が贈られてる


《 ぬば玉の 黒髪変り 白けても 痛き恋には 逢ふ時ありけり 》


巻4ー573


意味 : 黒髪(くろかみ)が白くなって(年をとって)も、


せつない想いに出会うこともあるのです( 幾つになっても、男は恋をするものです)


旅人は満誓に 返歌をおくる


《 ここにありて 筑紫やいづち 白雲の たなびく山の 方にしあるらし 》


巻4ー574


意味 : ここからでは筑紫(つくし)はどちらの方でしょうか。


白い雲がたなびいている山の方でしょうか


天平3年 7月 大伴旅人は


帰京後、1年も経たずにその秋の7月(旧暦)に病に伏し


『 萩の花は、もう咲いたか? 』と


何度も何度も 側近に聞きながら


静かに旅立ったのでした


旅人の旅とは いったい 何だったのでしょうか


帰るとこるがあってこその 旅 なのに


都に 帰ってきても そこには 待つべき人は 誰もいなかった


白い雲の向こうの太宰府を 思い浮かべて


旅人の脳裏によぎったのは


今は亡き 妻の姿ではなく


袖振る愛しい女(ひと)児島の姿だったのでしょうか



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萩の花











# by nonkei7332 | 2014-08-05 22:37 | 万葉集 | Comments(0)

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朝から やかましい程の蝉しぐれ
一陣の風が 吹き抜けたあとに そこに 一掴みの秋があった
季節の予感 ? まだ 立秋にもなってないのだけどなぁ
とはいえ 青空に浮かぶ 百日紅(さるすべり)の花は
近くて遠い 季節を 紅く染めている

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私は 昔から 自分の予感 を信じていた。

地域の夏祭り
夕涼みのつもりで
息子が何年か前に 父の日に贈ってくれた
〈甚平〉を着て 部屋を出た
予感がした 何かがおこる 予感が
祭りは いつものように いつもの演目が続く
パイプ椅子に座り 団扇で足を撫でながら
町の人々の 小さな 幸せを覗き込む
黄昏れの向こうに夜があって
風のむこうには 新月が 浮かんでいる
毎年 恒例の抽選会だ
当選者の名前が告げられるたびに
そこいらじゅうに ため息が転がる
最後の賞品が告げられる
〈自転車が三台〉歓声が起きた
そうか 自転車だったのか!
私の海馬が震えた 予感は ここからきていたのだ!
間違いなく 私の名前が呼ばれると思った
当選者の名前が呼ばれた
一度目は聞き流した もう一度 名前が呼ばれた
そして
中央の舞台に向かって 団扇で空を扇ぎながら
拍手の中を 歩いていく 私がいた


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三日前に 松林の間を 自転車が走っている 夢をみていた
麦わら帽子をかぶって 海にむかっていたのは 父だった
微睡み(まどろみ)の中で
自転車があれば 私も 父を追いかけて 海に行くのに
そんな事を考えていたのだ



我が家の玄関には
ベージュ色の 新しい 自転車が置いてある
明日は 海に行こうと思った。








# by nonkei7332 | 2014-07-29 10:18 | 日記 | Comments(0)

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姉からの誘いで 久しぶりの 夏の太宰府 を歩いた

30年ほど前に 5年ほど住んでいた町なので

町なみはすっかり変わってはいるが あちらこちらに 記憶が転がっている

姉が プロデュースした コースは

連歌屋の「寿し栄」でランチ。

それから 「光明禅寺」に寄って 「国立九州博物館」

帰りに参道の 「かさの屋」で 冷たい抹茶と梅が枝餅

全く参拝目的ではないところが 面白い



途中 『 観世音寺 』に寄ってもらった

ここの参道に連なる 楠(くすのき)は

春夏秋冬 いつ来ても その折々の姿で

訪問客を迎えてくれる


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『 観 世 音 寺 』

筑紫で亡くなった斉明天皇の追悼のため 天智天皇 が創建

約80年の歳月を費やして天平18年(746)完成した

当時は 七堂伽藍を備え 九州の中心的な寺院で


日本最古の梵鐘(国宝)が有名だ

毎年 大晦日の除夜に聞いていた 鐘の音は

今も 私の魂に染みついている




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『 寿 し 栄 』のランチは ゴー☆ジャス ! これで ¥1300 (^o^)




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太宰府天満宮の参道の一の鳥居を右に曲がるとつきあたりに

『 光 明 禅 寺 』がある

別名「苔寺」とも呼ばれ その名のとおり庭園は碧く苔むし

前庭を七・五・三の十五石で光の字に配石された〈仏光石庭 〉

裏庭は 青苔は大陸と島 白砂は水と大海を現し

長汀曲浦の見事な線で画出された枯山水の〈一滴海庭〉となっている

とくに 秋は 紅葉が映えて 美しい



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はじめは「逢初め川」といい

出会って「思い川」という


さだまさしの名曲 「都府楼」の出だしの歌詞だ

光明禅寺の 正門の前に 1mほどの小川が流れている



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『 藍 染 川 』は逢染川、想川、思川ともいわれ、

太宰府天満宮の神官と京女の悲しい恋物語が伝わっている



天満宮の神官は 京に上っている時

そこに住む梅壷という女性と恋に落ち

梅千世という子どもまでもうけました

しかし 神官はしばらくして郷里太宰府へ帰ってしまいます

残された梅壷は恋しさが募るばかり

子どものためを思って 遠く太宰府まで下ってくるのですが

そこで待っていたのは 神官の妻の意地悪な仕打ちでした

打ちひしがれた梅壷は 世をはかなんで

藍染川に身を投げて死んでしまうのです

亡骸に取り縋って泣く梅千世を見つけた神官は

梅壷が生き返るよう 一心に祈りました

すると そこに天神様が現れて 梅壷を生き返らせたのです

梅千世は長じて名僧となり

この光明禅寺を開祖したとの説もある




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遊園地の入り口の右手に 『 九 州 国 立 博 物 館 』の入り口がある

長いエスカレーターと動く歩道が 博物館まで運んでくれる

老体には 誠にありがたい

蓮の花が 迎えてくれた



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参道は インターナショナル 何故か日本語が懐かしい

店の中に入っては 展示品をみると なぜかほっとする

やっぱりここは 日本だ




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『 か さ の 屋 』

姉のお気に入り の参道の途中にあるお土産屋さんだが

奥は カフェになっている

奥の部屋は 庭に面していて 簾越しに冷んやりとした 冷気さえ漂う

〈冷やし抹茶と梅が枝餅〉のセットを注文する

庭には 百日紅(さるすべり)の花が咲いていた

何処からか 野鳩がとんできて

百日紅の枝に止まっていた




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秋に なったら 🍁苔寺の紅葉🍁 見に来ようねと話していたら

『 小鳥居小路の 恵比寿様 』 が 和かに笑っておられた



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# by nonkei7332 | 2014-07-27 21:34 | さだまさし | Comments(2)


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夏の花といえば 木槿(むくげ)ですね

『 槿花一朝(きんかいっちょう)の夢 』(人の世ははかないの意)

といわれるように 朝咲いて 夕方にはしぼんでしまう「一日花」です
とはいっても ほんとうは 二三日は咲いています

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《 萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝顔の花 》
(万葉集第八巻 : 1538)

山上憶良(やまのうえのおくら)の詠んだ「秋の七草」の歌です
木槿の花は 秋の花 だったようです
万葉集に登場する「朝顔の花」は 私たちが良く知っている
あのヒルガオ科のアサガオとは違って
当時は 朝に咲くきれいな花を「朝顔(あさがほ)」と呼んでいました
木槿だけではなく 桔梗の花も 朝顔と呼ばれていたようです

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源氏物語の二十帖『 朝 顔 』の話。
朝顔の姫は 源氏が若い頃から熱をあげていた女君の一人ですね
姫君自身も源氏に好意を寄せていましたが
源氏の恋愛遍歴と彼と女君たちの顛末を知るにつけ
妻になろうとまでは思わず 源氏の求愛を拒み続けてプラトニックな関係を保ち
折に触れて便りを交わす風流な友情に終始したとあります 辛い片恋の物語です。
まれに「槿(あさがお)」と表記されることがあるので
この「朝顔」は木槿のことですね。

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韓国では 国の繁栄を意味する花として 国花になっています
そういわれれば 大統領の名前は 『 朴 槿 恵 』
〈槿〉の字が有りますね
 
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 『 それがしも 其(そ)の日暮らしぞ 花木槿 』

   私を慰めるように 一茶が 一句詠んでくれました。



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# by nonkei7332 | 2014-07-22 13:24 | | Comments(0)

by ヒサミツ