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《 磯 良 の 海 》

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磯良の海に想いを寄せて

2016年 10月 29日 ( 1 )



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久しぶりに 夢の話をしましょうか

韓国の友人から

『胎夢』(てもん) という夢の話を聞いた事があります

韓国では 女性が妊娠すると その本人だけでなく 家族も

予知夢 をみるといわれています夢に出てくる 動物や食べ物で

生まれてくる 子供の性別や将来がわかるといいます

韓流ドラマには よく 『夢を買う』という場面が出てきます

夢は 韓国では 売買の対象なんです

誰かが いい夢を見たとすると その夢を買うと言って

夢を見た人に 夢を買った人がご馳走をするといいます

お隣の国には 夢の話が一杯なんですね




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「明恵上人樹上坐禅像」一部





先日は 『京都 高山寺と明恵上人 – 特別公開 鳥獣戯画』

に行ってきました

前回は 鳥獣戯画 の話をしましたが 実は 本当に見たかったのは

高山寺 に残る 明恵上人 の真筆 の 数々 でした

『 明 恵 』(みょうえ) (1173~1232)

という 僧侶は 鎌倉時代の 人です

法然や道元や親鸞や日蓮といった メジャーな 教祖達とは違って

教科書には 出てこない ですが

いろんな意味で 異彩を放った 華厳密教の名僧です

私は ある理由で この人を知っていました

そのある理由とは 19歳から 亡くなる 60歳 まで

《夢の日記》を 書き続けた人だという事でした

おそらく 古今東西 こんな人は 滅多にいるもんじゃありません

明恵が 書き遺した 日記を 『 夢 記 』(ゆめのき)といいます

この 明恵筆による「夢記」実は 福岡市美術館に 一部 所蔵されていて

以前 常設展で 見た事があります (福岡市美術館 現在休館中)

今回は 高山寺に 所蔵されている「夢記」も 公開されていました



実は 私も 少年の頃から 《夢の日記》を書いていました

その事を ブログの記事で書いた事がありました

( 2014年3月31日 「飛ぶ夢はしばらく見ない」)

夢は 私たちの 内側にある 時空を超えた 大いなる 魂の記憶です

日々の生活に何が起きているのか

直面する問題には どう対処すればいいのか

夢は 多くの情報を 私たちにもたらしてくれます



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河合隼雄 さん


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心理学者の 河合隼雄 (かわいはやお)(1928〜2007)は

名著 「明恵 夢に生きる」

明恵の残した 夢記を 見事に 分析するだけでなく

明恵の生い立ちから 亡くなるまでの間の 生き様を 見事に

私たちに 披露してくれました




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白洲正子 さん



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もう一人 明恵 に はまった 文化人がいました

随筆家の 白州正子 (しらすまさこ) (1910〜1998) です

著書 「明恵上人」の中で 明恵にまつわる 名言を残しています



『 明恵の夢は 夢ではない、覚めている時の生活の延長であり、

そういう意味では、やはり過去の記憶と呼べるかもしれません。

ただ、心理学者と違う所は、彼の夢は生きていることです。

研究の材料ではなく、信仰を深めるための原動力なのであって、

夢と日常の生活が、不思議な形でまじり合い、からみ合って行く様は

複雑な唐傘文様でも見るようです。』



明恵にとって 信仰の原点は 釈迦への回帰でした

インド行きを二度も計画するのですが

夢の中に 春日明神が出てきて 渡航を止めるように諭したとか

住吉大明神が出てきたりもします

同じ時代の 日蓮も 八幡大菩薩 や 天照大神 を取り込みますが

神仏習合した 鎌倉仏教の特異性は 興味深い テーマです

明恵は 日蓮と同じように 後年 他力本願だと 念仏信仰を非難します

華厳経を依教とした 明恵 に対して 法華経を依教にした 日蓮

二人の 高僧 の比較も私には 面白い テーマです



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明恵上人 は 歌人としても 有名です

とくに 月 を詠んだ歌が多くあり

「月の歌人」ともいわれました

代表作 が 赤い月を詠んだ この歌です


《 あかあかやあかあかあかやあかあかや あかあかあかやあかあかや月 》






by nonkei7332 | 2016-10-29 11:33 | | Comments(0)

by ヒサミツ