六郷満山 - 国東考
今 密かに 人を惹きつけている 場所があります
それは 世界遺産登録で浮かれた 宗像 ではありません
国 の 東 の 地 です 〈くにさき 〉と呼ばれた 場所です
国の東にある 処 であるとすれば
ここで言う 国とは 何処を さしたのでしょうね
大分の 北東部 に位置する 国東半島 は
豊後高田市、国東市、杵築市 を擁し
北には 姫島が浮かぶ 神と仏が息づく 神秘の半島なのです
半島の中央に位置する 両子山(りょうごさん)から
放射状に 六つの谷が 海に流れ落ちていきます
六つの谷は 六郷 と呼ばれています
武蔵(むさし)・来縄(くなわ)・国東(くにさき)
田染(たしぶ)・安岐(あき)・伊美(いみ)
1300年前 この半島に 宇佐の八幡信仰と
半島全域(六郷満山) で発展した 山岳信仰が結びつき
独特の 仏教文化 が形成されました
総持院である 両子寺 。 国宝阿弥陀堂のある 富貴寺。
国東市にある 古刹 文殊仙寺。をはじめ 多くの仏教寺院が点在します
4月 遅い桜 も 国東では 満開の頃
三人の 仲間とともに 私たちは 国東半島 の 神社 を 巡っての
トレッキング を 楽しみました
『 国東で 仏教寺院ではなく 神社だけを巡っているのも
私たちは ぐらいでしょうかね 』
リーダーの F 氏 は ポツンと呟いていました
杵築市の 奈多八幡社。豊後高田市の伊美八幡社 。
国東市の岐部神社・富来八坂神社。を 訪ねました
八幡社に関しては 宇佐の別宮や末社 を名乗っていますが
そこには 八幡神社に多く見られる 祭神の変遷が見られます
隠された 祭神は 境内摂社 で 残されていました
高良社 と 若宮社(仁徳) が 多く 祀られています
国東の謎 が 見え隠れしています
国東には 金海伽耶系の 大山祇神社 や
素戔嗚の八坂神社も 多く存在します
ということは おそらく 神仏習合以前の 国東は
半島からの 渡来製鉄氏族の住む 郷で あったのでしょう
地形的にも 谷沿いに吹き上がる 北風 は
たたら製鉄 には必須条件でもあります
旧正月に いくつかの 寺院で行われる
『修正鬼会』(しゅじょうおにえ) と呼ばれる 火祭りが
古代の 国東の姿を 今に 残しています
この祭りに出て来る 鬼伝説 は 吉備の桃太郎伝説に 似ています
多くの 恩恵を この地にもたらした 善神 としての 鬼
国東 の 先祖神 なのでしょうか
岐部神社 では 年に二回行われる
『子供獅子舞』に 偶然にも 遭遇することができました
鬼役と獅子役の子供達が 境内を踊りまわります
二頭の白鹿が神の化身として鬼の姿で現れ
田畑を荒らすイノシシを退治して豊作をもたらしたのが由来だそうです
九州国立博物館 の 展示会です
『 神と仏と鬼の郷 - 国東宇佐 六郷満山展 』
9月13日 から 始まります