都々逸 十唄 (どどいつ・じゅっぱい)
『 歌は世に連れ 世は歌に連れ 』
といいます
神世の昔から 歌は唄われてきたのでした
〈歌垣〉と呼ばれる 掛けあい唄が
祭りにおいて なされています
男方 と女方 とに 分かれ 男方が即興で 歌い
女方が後をつけていく
歌のかけあいなのです 当然 男と女の歌ですから
艶っぽい 歌詞だったんでしょう
江戸の末期から 明治 大正と 三味線の普及に連れて
座敷歌から生まれた 俗曲があります
「都々逸」(どどいつ) と呼ばれた 唄です
長唄 とは違い どちらかと言えば
小唄 や 端唄 に 入るのでしょうが
七七七五の26文字でさえあれば 自由な節回しでよかったので
多くの シンガーソングライター が 生まれたみたいです
歌詞は ほとんどが 艶っぽい 情歌 です
今みたいに カラオケ などありませんので
一気に 庶民の中にひろがり 大流行したみたいです
たくさんある中で 十唄 選んでみました
(かなり 際どい唄もありましたが 省きました)
《 博多に来たときゃ 一人で来たが 帰りは人形と二人ずれ 》
《 恋に焦がれて鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が身を焦がす 》
《 腹の立つときゃこの子を見やれ 仲のよいとき出来た子じゃ 》
《 惚れた数からふられた数を 引けば女房が残るだけ 》
《 戀(こい)という字を分析すれば 糸し糸しと言う心 》
《 泣いた拍子に覚めたが悔しい 夢と知ったら泣かぬのに 》
《 あなたに探してもらえるように 私の心は 隠したの 》
《 夢で見るよじゃ惚れよが足りぬ 真に惚れたら 眠られぬ 》
《 雨の降るほど噂はあれど ただの一度も 濡れはせぬ 》
《 女房に言えない 仏があって 秋の彼岸は 回り道 》
最近は 唄を忘れた カナリヤ 状態です
カラオケ 卒業して
〈都々逸〉でも始めてみましょうか