名島散策 ④ 狛魚 と 男千木
どこの神社でも よく 見られるのが 狛犬 (こまいぬ) です
入り口 辺りに 一対 で 置かれています
獅子 や 狛犬 だけではなく 神仏の 守護獣 として
多くの 動物 が その役目を果たしています
一般には「神使」といわれています
神の使いですから そこの 祭神と
何らかの縁のある 動物が置かれているわけです
有名なのが 稲荷神社の 〈狐〉であったり
弁財天 の 〈蛇〉であったり 毘沙門天 の 〈虎〉だったりします
さて 名島神社 には 全国でも 珍しい
《 狛 魚 》が あります
ギョ ギョ ギョ~ 初めて見た人は そう云います
生きた化石といわれる 深海魚
シーラカンス (coelacanth) によく見ると 似ていますよね
対馬の琴崎にある 胡禄神社の伝承に 海神の姿を
《 金鱗の蛇 》だという話が残っています
もともと 名島神社は 明治になるまでは 名島弁財天 として
世間に認知されていたわけですから 蛇 も絡んで 当然です
狛魚 = シーラカンス = 金鱗の蛇 = 海神
名島神社の謎解き が こんなところにもありました
ところで 名島神社の 祭神はと いえば
宗像三女神 ( 田心姫 ・湍津姫 ・市杵島姫 ) です
ところが 神殿の千木 をみると 男千木 です
もうひとつの 謎
この神社の古祭神 は 女神ではなく 男神 かもしれません
このパターン いくつか見て来ました
宗像大社 も 呼子の 田島神社 もそうでした
そこに 隠れて 鎮座する 古祭神 は 大国主命 でした
神殿の裏に鎮座する 摂社 を見てみると
妙見宮 (天之御中主神)
主の神 (ぬしのかみ) の勢揃い ですね
とすると 古祭神は
〈大幡主 = 大若子〉もしくは 〈豊国主 = 小若子 = 豊玉彦) となります
海神といえば 安曇磯良 を思いますが
磯良 は もっと 後世の 海人族の主だと考えています
ここでは 豊玉姫の父 《 豊玉彦 》が 名島神社の 古祭神なのでしょう
名島神社 も そうですが 北九州には
神功皇后の伝承 が多く残されています
日本書紀 も 異様なほど 神功皇后紀 は 多くの紙面を割かれています
そこには 九州王朝 (神武・懿徳・孝霊・孝元・開化・仁徳) の
存在を隠そうとする 畿内王朝の意図を感じます
私的な考えですが 神功皇后の三韓征伐は 作り話だと思っています
『三国史記』にも 史実として 幾たびかの
倭国の新羅への侵攻の記事が書かれていますが
とりわけ 斉明天皇(女帝) の 新羅侵攻 を
だぶらせて 描かれたのではないかと 私は思っています
豊玉彦 は 別称 八咫烏 (やたがらす) です
同じ 鳥でも 《 カモメ は カモメ 》
海神神社 の中を カモメ達は 自由に 走り回っていました