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《 磯 良 の 海 》

hisamitsu.exblog.jp

磯良の海に想いを寄せて

墳 丘


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唐津の 『久里双水古墳』に行きました

全長 108.5メートル 後円部径 62.2メートル 前方部幅 42.8メートル


の 前方後円墳 です

私が去年見てきた 百舌古墳群などは 5世紀から7世紀のものですが

この古墳は 3世紀に造られたもので

国内でも 最も古い古墳のひとつです



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副葬品 は 後漢時代の「盤龍鏡(ばんりゅうきょう)」

「管玉(くがたま)」「刀子(とうす)」

被葬者は 末盧国 の王族 でしょうか



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墳丘に登りました

鏡山 の向こうに 浮嶽 が見えました

西には 松浦川が流れています 川が二つに別れている地点なので

双水 という地名みたいです

ズカズカと 登っていったので 墓に眠る王様が怒ったみたいです

突然の 驟雨

ビッショリ 濡れてしまいました



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《 おまえが墳丘にのぼれば 》

吉本 隆明




おまえが墳丘にのぼれば

そこは誄(るい)をひく長びいた音吐と幡旗(はた)の

しめやかな殯(あらき)の場にかわる

時間のないものが夢をみている

この首長の葬礼が長びくとして

たった三年くらいのあいだに

葬られた死者は 白鳥に

尾長は ふくろうに

風景は 廃市に

語り部は 乞食に

幡旗(はた)は 雲に

かたつむりは 死魚に

かわるといえる



  
それから疾風のように 夢は

とおい海を襲う

おまえが一瞬眠っているうち

この世界が革まるとしても

死にきれなかった下丁が

高句麗の軍歌などうたって

喜捨を乞う

その道に

千年も前のあせびの白い花が垂れている




けっきょくこれは風景

ほんの小さな安息日

無際限にふりそそぐ夏の炎から

おまえの渇きに送られた訴状だ

それから挨拶だ

かすれた咽喉がありったけ時間を呑みこむとしてわ

とうていおまえに耐えられない この

時間を失った夢を

殺りくの山陽(やまなみひなた)の道の岸べから

まっさおな空と

ひきつった雲に投げかけることは

愛の死を意味している


 

丹(に)の土の層 それらしい土器のかけら

あけび色の蔓から第五号墳丘の土面に昇ってくる

さらば 夏の日の

迅速な憩い  








by nonkei7332 | 2017-02-04 11:07 | 古代史 | Comments(0)