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《 磯 良 の 海 》

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磯良の海に想いを寄せて

風 に 遭う



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尾形光琳 『風神雷神屏風図』 東京国立博物館蔵



『 たまに出る子は 風に遭う』

という ことわざ があります

古来 より〈風に遭う〉ということは あまりいいことではないようです

江戸時代に書かれた 『絵本百物語』という 奇談集には

妖怪としての 〈風の神〉が書かれています

それによると

〈風の神〉は いつも黄色い邪気を吐きながら いつも

天空をさまよいながら 地上を見ています

〈風の神〉の持つ 邪気は 隙間が好きで

特に 暖かい と 寒い の 隙間は 大好物のようです

〈風の神〉の黄色い邪気に触れると 人は 病いにかかります

風邪 (かぜ) という字は ここからきたみたいです



人々が 一年中で 最も 風の被害を怖れる

三大厄日 というのがあります


二百十日 (にひゃくとうか)・・・(今年は8/31)

八朔 (はっさく)・・・(今年は9/1)

二百二十日 (にひゃくはつか)・・・(今年は9/10)


この三日は 立春から数えて210日目と 旧暦の8/1の朔日

そして 220日目の 三日のことです

この頃は稲が開花する重要な時期なのです それはまた

甚大な影響を与える台風に見舞われることも多い時期でもあるのです

天気予報などなかった 昔の人々にとっては

記憶に残る 何千年にも及ぶ 人々の 記録から

暦の中の 雑節 として この日を 残したのでした



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おはら風の盆





〈風の神〉を 鎮めるために 人々は 祈りました

越中富山のおわらの里では

『 おわら風の盆 』といって

村人達 は 400年もの間

9月1日から 3日迄 三日三晩 踊り続けています



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種山高原 「風の又三郎」の像



宮沢賢治 の書いた 童話の中で

『 風の又三郎 』という 話があります


どっどど どどうど どどうど どどう

青いくるみも吹きとばせ

すっぱいかりんも吹きとばせ

どっどど どどうど どどうど どどう



奇妙な 風の歌で始まる 童話です

谷川の岸に小さな学校の さわやかな九月一日の朝でした

青ぞらで 風が どう と鳴り 日光は運動場いっぱいでした

そこに奇妙な格好をした 一人の転校生が やってきます

名前は 高田三郎 変てこな ねずみいろのだぶだぶの上着を着て

白い半ずぼんをはいて それに赤い革の半靴をはいていました

顔 は まるで熟したりんごのようで 目はまん丸でまっくろな

男の子でした

村の子達は 「風の又三郎」と呼びました

9月1日から 又三郎がいなくなる 9月12日迄に起こった

子供達と又三郎との 間の日々の物語が この童話のあらすじです

宮沢賢治は この話の最後をこう結んでいました



「そうだないな。やっぱりあいづは風の又三郎だったな。」

嘉助が高く叫びました。

 宿直室のほうで何かごとごと鳴る音がしました。

先生は赤いうちわをもって急いでそっちへ行きました。

二人はしばらくだまったまま、

相手がほんとうにどう思っているか探るように

顔を見合わせたまま立ちました。

風はまだやまず、窓ガラスは雨つぶのために曇りながら、

またがたがた鳴りました。



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私にとって 今年の二百十日から 二百二十日迄の 10日間は

〈風の神〉〈又三郎〉と 出遭った 夢のような苦しき 日々でした

旋風(つむじかぜ) は 私の肋骨を折って 肺腑を破り

視えない風の景色を またひとつ 私に見せてくれました

それは 忘れかけようとしていた あの 夢のつづきでした

風と遭遇した 240時間が

私を 新たなる 時空間 に連れてきたようです

ここには 新たな 季節の予感が あるのです

私は 5年程 若返ったのかもしれません

いやいや 5年程 歳を重ねたのかもしれません



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櫛田神社の拝殿


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拝殿 破風 の 風神




今日 9月23日は

秋の社日(しゃにち)といいます

秋分の日に 最も近い 戊(つちのえ)の日の事をいいます

社日 は古代中国に由来し

「社」とは土地の守護神 土の神を意味します

この日は 産土神 (生まれた土地の守護神) を祀る日なのです



私の 産土神は 櫛田神社の 〈大幡主神〉です


今日 櫛田神社の 拝殿前に 私は立ち

拝殿の破風 に ある 風神の彫り物を 頭上にして

風神との 10日の日々を 主の神に 報告しました

そして 小さく 願うことも 忘れませんでした



『 神皇産霊(かみむすび) よ 風の邪気は 我のみに 留めなん

ただただ 家族の そして 人々の 安泰たらんことを 』



( 神皇産霊神 = 大幡主神 )











by nonkei7332 | 2016-09-23 18:48 | 日記 | Comments(0)

by ヒサミツ