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《 磯 良 の 海 》

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磯良の海に想いを寄せて

方丈 の 庵



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和歌山 有田 の 八朔




9月1日 『八朔』の日

朔月で 新月 新たな思いで 朝 いつもの時間に部屋を出た

いつものように 子供達を見守り

公民館の花壇に差し掛かった時

一陣の強風が舞い 私の足許をすくい

身体のバランスを失った私は 後ろ向きに 倒れてしまった

私の背中は 御影石の花壇の淵に 叩きつけられ そのまま 転倒

〈やっちゃった!〉

瞬間 私の脳は冷静にその場の状況を 見極めようとした

〈頭 は 打ってない〉〈背中打撲?〉〈息が苦しい ! )

周りを見渡したが 誰もいない 100M先の部屋に戻ることを選択したが

どのようにして 部屋にたどり着いたかは 覚えていない

部屋に着くなり 緊急連絡のスイッチを押す

5回目のコールの後 『どうされましたか』と声が聞こえた

『背中を打って 息ができない 救急車を呼んでください』

絞るような声で私は喋った

『すぐ手配します 5分で着きます 大丈夫ですか』

『・・・』

意識はしっかりしている 苦しい呼吸で呻きながらも

私は 財布と保険証と ケータイを手にしていた

遠くに 救急車の音が聞こえた 海馬が震えた

記憶が蘇る かつて 私は こんな 空間にいたことがある

車が揺れるたびに 背中に鈍痛が走る その度に呼吸が3秒とまる

朝の通勤時間帯なのだ やたらと止まりながら 救急病棟についた

痛み止めの注射を打って すぐに MRIへ 呼吸は相変わらず 浅い。

痛み疲れた頃 担当医の野太い声が聞こえた

『肋骨が2本折れていて 折れた骨が 肺を破っています』

『肺の蘇生するために 管を入れる手術をします 麻酔かけますから』

麻酔 は この痛みから解放してくれるのだろうか

そんな 期待は 見事に覆された

内視鏡による 胸をえぐる手術は さらに 激痛だったのだ

再び 痛み止めの注射を打つ 1時間くらいたっただろうか

呼吸が楽になった


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胸に管が入り 管は〈メラサキューム〉という

電動式低圧吸引器 に繋がっている 人口肺みたいなものだろう

点滴がされて酸素が吸入され 肋骨はバンドで強く固定されている

物々しいフル装備だ

看護士さんが『お兄さんと熊本の息子さんが こちらに向かっています』

と伝えてくれた


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日常は ある日突然に こうして 姿を変える


兄と長男が 病室を 私の生活の場に変えてくれるのに

それほど 時間はかからなかった

食卓兼 書斎兼 物入れのデスクが ひとつだけ

ベッド と 周りを仕切るカーテン

iPad があるので ブログは書けるし

なによりも 平均600kcal の三食はありがたい


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私 の 『方丈の庵』はこうして出来上がった


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『 鴨 長明 』(かものちょうめい) が

山科の日野山に「方丈」を組んだのは1208年 52歳の時でした

一丈四方の庵には 中央に炉があり 余分なものはすべてを捨て

最低限生活に必要なものだけをそばに置いたといいます

『方丈記』を書き始めたのが58歳の頃でした


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鴨 長命



ゆく河の流れは絶ずして、しかももとの水にあらず。

よどみに浮ぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、

久しくとどまりたるためしなし。

世の中にある人と栖と、またかくのごとし。


【現代語訳】

河の流れは絶えることなくどこまでも流れていき、

しかもそれは元と同じ水ではない。

よどみに浮かぶ泡は一方では消え一方ではでき、

長い間留まっているということがない。

世の中の人とその住居とも、同じようなものだ。




さてさて 私の 『方丈記』はいつまで続くのでしょうか






by nonkei7332 | 2016-09-06 22:40 | 日記 | Comments(6)
Commented by nunokichi at 2016-09-07 00:17
夜分遅くすみません
PCを閉じようとして、hisamitsuさんがアップされているのを見つけました。
なんということでしょう
たしか、脳梗塞で倒れられたと前に読ませていただいたことがあります。
常に備えてらしたから緊急時にも対処ができたのでしょうね
おかけする言葉もありません
早くのご回復をお祈りいたします。

Commented by nonkei7332 at 2016-09-07 02:13
いやはや かっこ悪いの一言。ぬのきちさんいわれるように
〈死〉への Lesson は何度も試みているので ルーティーンどおりです
復活をいかにするかが 直近の課題なのです
長男は 熊本県で 地震復興の都市計画の仕事をしています
どんな気持ちで 福岡に飛んできたのか いい勉強になったのではないでしょうか
花壇では あんなに立派に咲いていた ひまわりが 朽ちていました
〈死〉は私たちの周りにたくさん転がっています
来年のために 種を拾っています。
Commented by わたつみ at 2016-09-12 17:10 x
今、ブログ拝見しました。大変でしたね。まだ、ご入院でしょうか?一日も早く回復されますように。
Commented by nonkei7332 at 2016-09-13 10:14
ご心配おかけしました お元気にお過ごしでしょうか
先週 退院しました というより 病院を追い出されました
当分は自宅療養です 胸は バンドで固定しています
咳をすると痛みます もっとも痛いのが クシャミ です
ですから 周りの人たちに 私の噂話は 禁句だと伝えています
いい季節になりますね 明後日は 中秋の名月 ですね
Commented by chie_1952 at 2016-09-15 16:14
自宅療養とのことですが、お具合は如何でしょう?
無理なさらずに、しっかり療養なさって下さいね。
お大事に。
Commented by nonkei7332 at 2016-09-16 11:35
Chie さん こんにちは
ご心配おかけしました もう 大丈夫です
いい季節になりました 気が病む時は思いきって 外に出かけましょう
見知らぬ花に 出逢うかもしれませんよ。

by ヒサミツ