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《 磯 良 の 海 》

hisamitsu.exblog.jp

磯良の海に想いを寄せて

鮎 の 伝説



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《 神功皇后 》の新羅出兵の際に訪れた

末盧国( 佐賀県唐津付近) での伝説に

『 鮎釣り伝説 』 があります

こんな内容です


『 新羅遠征を前にして 皇后は占いました
「新羅救援が成功するのであれば、魚よこれに食いつけ!」  
そう叫んで、飯粒のついた釣り針を川に投げ入れたところ、
アユ(鮎)が釣れまたので、神功皇后は確信しました。
「神々は我々に味方した!
必ずや、新羅救援は成功するであろう!」』



最初にこの話を聞いた時の 素直な疑問がありました
「なんで 魚釣りなの ?」
「なんで 鮎でなくちゃ いけないの 鯉ではだめなの?」
そんな折 綾杉さんの「ひもろぎ逍遥」の
〈 志登神社 2 〉の中で
賢人のこんな記事を見つけたのです

昔の人は外界の波に動じない海淵を沼津、或は志登と呼び、
星影のゆらめきを見て海の異変を察しておりました。
やがてこれが倭語の鯰(なまず)
即ち漢名の鮎魚(せんぎょ)と結び付き
地震鯰の説が通りだしたのかもしれません。』

なるほど なるほど
鮎 は 鯰 の事なんだ
だから 新羅に上陸した時に 大津波が起こり
皇后軍は 新羅に勝利したんだ
皇后 は 津波を予言したんだな
こんな理解で正解なんでしょうが どこか 納得できないものを
引きずったままだったのでした



柳田国男 の 『 海上の道 』という記事を文庫で読んで
新たな発見をしました


二十年も前に、
私は一時熱心に風の名の集録を心がけたことがある。
農民も決して風に無関心ではないが、その呼称の多くは
海の生活からの感化を受けている。・・・・
「万葉集」の末二巻の中には アユノカゼ に
東風の二字を宛ている
多くの国語辞典には この語を東風と註し、
それを ほかの方角の風とするものを方言と見下すらしいが、
アユ は 後世の アイノカゼ も同様に、
海岸に向いてまともに吹いてくる風、
すなわち 数々の渡航の船を安らかに港入りさせ、
または 種々の珍らかなる物を、
渚に向かって吹き寄せる風の事だった。
海から種々の好ましい物を、日本人に寄与した風の名を
〈アユ〉と呼んだ理由はこうして 説明し得られるが、
是が 日本海沿岸だけに広く伝わって
東や南に面した海辺には知られてないのは、
やはり海運史の問題であろう
一つの例として心づくのは、尾張の アユチガタ、
後には郡となりまた県の名にもなったが、
古くは年魚市(アユチ)とも字には書いて、
越中と同じにアユと発音していた。」


鮎 とは 東風 (アユ) であって

魚でも 鯰でも なく 『風の名前』だったのでした

おそらく 新羅遠征 の 先頭に立った 安曇族達の話を聞いた 皇后が

『 東風(アユ) は まだか ! 』といった言葉が

『 鮎 (アユ) はまだか !』 と 誰かが 聞き違えたのでしょう

愛知 は 年魚市(アユチ) が 訛った 地名だったのですね



《 東風(あゆのかぜ) いたく吹くらし 奈呉の海人(あま)の
釣りする小船(おぶね) 漕ぎ隠れ見ゆ 》

万葉集17巻4017 大伴家持


〈訳〉
東風(あゆのかぜ)が 強く吹くみたいです
奈呉(なご=地名)の海人たちの
釣り船が波間にゆらゆらと見え隠れしています




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祇園祭り 「 鮎釣山 」



祇園祭りの 山鉾には『鮎釣山』という鉾があります

神功皇后が 肥前国松浦で 鮎を釣って

戦勝の兆としたという説話によるものだと言われています



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福岡市出身 『 浜崎あゆみ 』さん





アユ が ナマズ だなんて 誰が言ったんだ !!









by nonkei7332 | 2015-08-28 15:24 | 古代史 | Comments(2)
Commented by lunabura at 2015-08-29 17:10
こんにちは♪
いつも楽しく拝見しています。

ところで、鮎の件で誤解があるようでしたので、お知らせしたいと思いました。
真鍋が記述していたのは、那珂川町の伏見神社の縁起についてなのです。
(唐津の鮎釣りの件ではありません)

神功皇后が脊振山から降りて来て那珂川を馬で渡っている時にナマズが飛び上がって皇后に付いたことに関しての解説なのです。

調べると、「鮎」は中国では「ナマズ」を指すんですね。だから「漢語の鮎」と表現しています。もちろん日本では「アユ」のことをさします。

縁起ではこの後、ナマズが皇后の船を支えたという話(他では蜷貝)から、中国風に「占いの魚」と書いた「ナマズ」に書いて考察している条です。

『ひもろぎ逍遥』では伏見神社
http://lunabura.exblog.jp/i113/
に書いています。
『神功皇后伝承を歩く』では下巻64にその伝承を書いているので、よかったら御覧ください。

Commented by nonkei7332 at 2015-08-30 09:57
コメント ありがとうございました。
満月の日 感謝を添えて。 磯良 より


by ヒサミツ