ブログトップ

《 磯 良 の 海 》

hisamitsu.exblog.jp

磯良の海に想いを寄せて

土蜘蛛 と 土師氏



b0325317_00173643.jpg
土蜘蛛草紙絵巻 東京国立博物館




『「九十九」を 筑紫では「つくも」と読ませる

昔は《土蜘蛛》を尊敬して 親分を太白、子分を小白と呼んだ

「つくも」とは九を重合対立させた形で「つちくも」の略だった 』


筑紫の賢人 (真鍋大覚氏) は こう述べています


《 土蜘蛛 》と呼ばれた 古代氏族 が この国にはいました

というより 新たな新天地を求めて 海を渡ってきたのでしょう

彼等は 高度な鉱山技術をもった 産鉄の民でした

どこから 来たのかというと それは

「九十九の国」「白の国」「斯蘆国」 つまり「新羅国」です

新羅から来たといえば 出雲の スサノオ ですが

「雲」と「蜘蛛」同じ 出自 をもった氏族だったのでしょう

やがて 古出雲 と呼ばれる 筑豊の香春岳付近 に

この氏族は住み着くことになります

土蜘蛛 の里は 倭国 筑紫の国 だったのです

産鉄の民 は 新たな文化をこの国にもたらします

と同時に これらの技術を 背景とした 国ができ

やがて その支配権を争奪せんとする

国同士の争いとなっていくのでした

この国の 古代史 のすべてがここにあると言ってもいいでしょう


〈土蜘蛛〉〈鉄の民〉の

悲しみの歴史が始まります


12代天皇といわれる 景行天皇 は

九州各地の 土蜘蛛 を我が物にせんと

各部族に 過大な要求を押し付けますが

拒否した 土蜘蛛たちの多くを殺していきます

〈日本書記〉や 〈豊後風土記〉〈 肥前風土記〉 などには

土蜘蛛の名が記述されています


《豊前国》

神夏磯姫(かみなつそひめ)・鼻垂(はなたり)・耳垂(みみたり)・

麻剝(あさはぎ)・土折猪折(つちおりいおり)・ 葛築目(くずめち)


《豊後国》

速津姫(はやつひめ)・ 青 ・ 白 ・打猴(うちさる) ・八田(やた)

・國摩侶 ・小竹鹿奥(しのかおさ) ・ 小竹鹿臣(しのかおみ)


《肥前国》

大山田女 ・狭山田女 ・打猴(うちさる)・海松橿姫(みるかしひめ)

大身・ 大耳・垂耳(たりみみ)・八十女(やそめ)

大白・中白(なかしろ)・小白(おしろ)・速来津姫(ハヤキツヒメ)

浮穴沫姫(うきあなわひめ)・鬱比表麻呂(ウツヒオマロ)


これらの 土蜘蛛 のなかには 神夏磯姫 や 速津姫 のように

仲間を裏切り 苦しみの中で 生き残る事を選んだ 族長もいました


やがて 14代 仲哀天皇の頃になると

生き残った 土蜘蛛族が 勢力を取り戻していきます

熊襲の後胤 《羽白熊鷲》(はじろくまわし) は

秋月を本拠地とする「白の国」の族長でしたが

仲哀天皇に 反旗を翻し 仲哀天皇を 矢で倒したのですが

仲哀の皇后だった 神功皇后 に 滅ぼされてしまいます

筑後の土蜘蛛族の首長であった 葛築目の後を継いだのは

香春岳の 《田油津姫》(たぶらつひめ) でした

神夏磯姫 の後胤 〈夏羽〉の妹でした

神功皇后軍 は 田油津姫 を たおし 応援に駆けつけた 夏羽をも

滅ぼしてしまったのです


こうして 王朝の基盤は 落ち着き 土蜘蛛族は朝廷の中に組み込まれて

独自の地位を占めていきます

朝廷も 産鉄の資源を国内から 国外に求めるようになり

半島をめぐって 新たな 争いに 巻き込まれていくのでした




b0325317_00194944.jpg
老松神社 蜘蛛塚
「空 sora そら」さんのブログより



土蜘蛛の 悲しみの霊魂は 各地の神社に祀られ ます

みやま市瀬高町にある 『老松神社』には

田油津姫の墓といわれる 「蜘蛛塚」があります

説明板によると 往時は「女王塚」と呼ばれていたとあります

葛築目の墓だったのかもしれません

土蜘蛛族 の首長には 女性が多いのは なぜでしょうか

記紀等に伝わる 古代朝鮮からの渡来人または渡来神といえば

「天之日矛」(アメノヒホコ)ですが

伝説によれば

その妻であった「阿加流比売」(アカルヒメ) は

日の神に仕える 巫女であったといいます

鬼道をつかって 倭国を治めた 卑弥呼 も 巫女でした

「土蜘蛛の女王」であった 田油津姫 と だぶって見えるのは

私だけでしょうか


民俗学者 柳田國男 は


人が 神になるには 二つの条件を満たさねばならない

一つは その人が 生前人並みはずれた 存在であること

もう一つは その人が怨念を残すような不運な死に方をすること 』


と 述べています



やがて この国の 歴史は


土蜘蛛の 怨念を 畏れ


多くの 『神』をつくることになります










by nonkei7332 | 2015-08-23 00:21 | 古代史 | Comments(0)