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《 磯 良 の 海 》

hisamitsu.exblog.jp

磯良の海に想いを寄せて

「九十九髪」伊勢物語



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江浦草 (つくも)




葦の一種で 「江浦草」(つくも)
通称 「津久毛」(つくも) と呼ばれる 植物です
古名では 「太藺」(おおい) と呼ばれていました
高さは 2M くらいで 太い藺草(いぐさ) みたいな 姿をしていて
庭の池などに 観賞用に植えられていたそうです



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在原業平


『 伊勢物語 』 とは

平安時代初期 に書かれた 作者未詳 の 歌物語
ひとりの男の 波乱に満ちた 一代記です
モデルとなったのは 奔放な 人生を送ったと伝えられる
天才歌人 在原業平(ありわらのなりひら)
(825〜880年) だと言われています
「源氏物語」をはじめ 多くの物語文学にも
大きな影響を与えた作品です



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絵屏風 「九十九髪」




全125話 のなかの 63話に
『 九十九髪 』という話があります


昔、色好みの女が、
なんとかして情深い男と一緒になりたいものだと思っていたが、
言いだすきっかけがないので、作り物の夢物語をした。
子どもを三人呼んでその夢の中身を語ったのだった。
(すると上の)二人の子は、そっけなく答えただけだったが、
三人目の子は、きっとよい男の人が現れるでしょう
と夢説きをしたので、女は機嫌がよくなった。
(三郎には)ほかの男はまったく情愛がない、
なんとかして 在五中将 (業平)と
一緒にさせてあげたいものだと思う心があった。
そこで、(業平が)狩りをしているところに行き会ったとき、
道にて馬の口を取って、
(ある女が)こんなふうに(あなたを)お慕いしていますというと、
(業平は)女を哀れに思って、(女の家に)やってきて、
一緒に寝たのであった。
さてその後、男の姿が見えなくなったので、女は男の家に行って、
その姿を垣間見たのであったが、それを男がほのかに見て、

《 百年に 一年 たらぬ つくも髪 われを恋ふらしおもかげに見ゆ 》

百年(ももとせ)に一年(ひととせ)たらぬつくも髪の老婆が、
私のことを恋しているらしいのが面影に見える
(だから、その女のところにいってやろうか)

男がこういいながら出発する様子を見て、
(女はうれしくなって)茨やカラタチのとげに刺されながら、
家に戻って床に臥した。
男の方では、女がしたように、忍び立ってかいま見ていると、
女は嘆き寝をするとて、

《 さむしろに 衣かたしき今宵もや 恋しき人に逢はでのみ寝む 》

むしろに衣を敷きながら、今宵も恋しいひとと一緒になれないで、
むなしく寝るのでしょうか

こう(女が)読むのを聞いて、
男は哀れと思って、その夜も一緒に寝てやったのであった

世の中の例としては、
自分でいとしく思う人を思い、そうでない人は思わないものだが、
この人(業平)は、いとしい人もそうでない人も、区別しない
(思いやりのある)心を持っていたのである。




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津久毛 で作った 刷毛



〈九十九〉 という 数字 は 〈百〉に ひとつ足らない数字です
〈百〉という 漢字 から 〈一〉を引くと 《 白 》という字になります
九十九髪 とは 老女の白髪 の事を いったようです

水草の 江浦草 (つくも) は
表装用の刷毛 の材料として使われたりもします
よく見ると 老女の髪の毛に 見えない事も
ないですね








by nonkei7332 | 2015-08-21 17:09 | 古代史 | Comments(0)