「養生訓」に 学ぶ
福岡藩の儒学者 『 貝 原 益 軒 』
《 筑前国続風土記 》などの 歴史書 の 他に
健康(養生)についての指南書
『 養 生 訓 』(ようじょうくん)を 残した
正徳2年(1712年) 益軒 83歳 の 著作である
第8巻 「 老いを養う 」
『 老ての後は、一日を以て十日として日々に楽しむべし。
常に日をおしみて、一日もあだにくらすべからず。
世のなかの人のありさま、わが心にかなはずとも、凡人なれば、
さこそあらめ、と思ひて、わが子弟をはじめ、
人の過悪を、なだめ、ゆるして、とがむべからず。
いかり、うらむべからず。
又、わが身不幸にして福うすく、人われに対して横逆なるも、
うき世のならひ、かくこそあらめ、と思いひ、
天命をやすんじて、うれふべからず。
つねに楽しみて日を送るべし。
人をうらみ、いかり、身をうれひなげきて、心をくるしめ、
楽しまずして、むなしく過ぬるは、愚かなりと云べし。
たとひ家まどしく、幸(さいわい)なくしても、うへて死ぬとも、
死ぬる時までは、
楽しみて過すべし。
貧しきとて、人にむさぼりもとめ、不義にして命をおしむべからず。
年老ては、わが心の楽(たのしみ)の外、
万端、心にさしはさむべからず。
時にしたがひ、自楽しむべし。
自楽むは世俗の楽に非(あら)ず。
只、心にもとよりある楽を楽しみ、
胸中に一物一事のわづらひなく、
天地四時、山川の好景、草木の欣栄(きんえい)、
是又、楽しむべし。
by nonkei7332
| 2015-06-29 19:56
| 日記
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