雑草
去年の秋
私が勝手に作った 道端の花壇がありました
ナデシコの花は 私だけでなく
散歩をしている たくさんの人を
愉しませてくれました
花を落として 冷たい 冬には すっかり 枯れかけていたのですが
春になると 小さな 緑の葉が 芽吹いていました
ナデシコ は もう 雑草になったんだと 思い
『 生きてくれていればいいよ 雑草でもいいんだから 』
と話しかけていました
雑草という言葉が 気に入らなかったのでしょうか
五月になって たくさんの 花芽が出して
たくさんの 花をつけてくれました
金子みすゞ の 詩 です
《 草の名 》
人の知ってる 草の名は
私は ちっとも知らないの
人の知らない 草の名を
私は いくつも 知ってるの
それは 私がつけたのよ
好きな草には 好きな名を
人の知ってる 草の名も
どうせ 誰かが つけたのよ
ほんとの 名まへを 知ってるは
空の おひさま ばかりなの
だから 私は よんでるの
私ばかりで よんでるの
毎日 の日課の中に
草取り が 入って もう 半月になる
道端には たくさんの 名前も知らない草が生えていて
人は それを 雑草と呼んでいる
役に立たない草だから 雑草と呼んでいるのだろうが
それは 勝手に人間が 決めた理由であって
草にとってしたら 理不尽な話 であろう
毎日 草をむしっていると
『 ちゃんと生きているんだから 勝手に 抜くなよ 』
そんな 声が 聞こえてきたりもする
そういえば
〈 世界にひとつだけの 花 〉なんていう 歌があったが
〈 世界にひとつだけの 草 〉という 歌 は ない
もともと 特別な ONLY ONE の 草には 違いないのに
せめてもの 償いとして
名前だけでも 知っておいてあげようと思い
図鑑を 調べては
あれかな これかな と迷う 毎日が続いている
by nonkei7332
| 2015-05-09 09:10
| 日記
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