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《 磯 良 の 海 》

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磯良の海に想いを寄せて

風 を 見たか



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風神雷神図




私は 風の姿を 見た事がない

私の 網膜に映る 様々な 自然の景色がありますが

例えば 桜花が散る 様だとか

幾重にも 重なる 白き波の 紋様だとか

空を駆け 瞬時に その形を変えていく 雲の様であるとか

それらは 風が 織りなす 景色であって 風景と呼ばれるものですが

それは 風の姿ではありません

魂 は 目には見えない 見えないから 無いとは言えない ように

風 は 見えない 見えないからといって 無いとは言えないようです

それは まさに 神 です



気象的に言えば

地球上には 場所によって太陽エネルギーの分布 が異なるため

日光の当たり具合や 地表の温まりやすさの違いが

島や大陸といった巨大なスケールで存在すると 気圧が不均一になり

数千km規模の 高気圧や低気圧が生まれる。

高気圧から低気圧へと流れる空気が、「風」の おこる 主因である


〈東風吹かば 匂い起こせよ 梅の花 〉と詠まれるように

風には 向きがあって 吹いてくる方向 ( 風位 ) によって

古人は 風の名をつけました

東風 は ( こち ) 西風 は ( ならい ) 南風 は ( はえ ) 北風 は ( あなじ )

とくに 海の民 にとっては 風 は 生活のすべてでした

海の上では 東西南北では 読みきれない 微妙な風がふくので

西北 東北 東南 西南 の 方位 を 重ねた 八方の風位 が 定着します

関西では 半夏生の日に ( 7月2日頃 ) 蛸 ( たこ ) を食べる 風習が残っていますが

本来は 蛸を吊るして 稲田を大風から 護るために祈った 八風鎮護の行事でした

たしかに 蛸には 八本の足 があるので 八つの風位にみえます

正月に 神社では 八本の幟を立て 風向や 風力で その歳の豊穣を 占ったといいます

海人は 船の帆柱に 幟を 立てました

正月の 凧あげ の起源 もここにあるみたいです



綾杉さん の 「ひもろぎ逍遥」の 4月3日 の記事で

宗像の 「 珂昰古 」「 風子 」「 凧旗 」の話を知りました

毎月 8日に 凧をあげて 風信を読んだ という話も 繋がりますね



八風 については

仏教の中で 修行を妨げる 八つの出来事として 説かれています

人心を煽動(せんどう)する出来事を 風に喩えたのでしょうか


四順 : 利(うるおい)・衰(おとろえ)・毀(やぶれ)・誉(ほまれ)


四違 : 称(たたえ)・譏(そしり)・苦(くるしみ)・楽(たのしみ)


衆生は 四順を愛欲し 四違を忌避しようとするために

八風におかされるとされます

人の心理を 微妙に 言い表していますね



古来 人は

目には見えぬ 風を読み 道標 ( みちしるべ )としました

風は 雲を呼び 雲映は 天変を知らせました

荒ぶる神は 地を震わせ 津波となって 人と山河を 飲み尽くし

生き残った 人は なす術もなく 神 に祈りました



《 海神の 豊旗雲に 入日さし 今夜の月夜 さやけくありこそ 》
天智天皇 万葉集 1巻–15


訳 : 筑紫の国から 海を眺めると 豊旗雲に

夕陽がさして 博多湾に落ちていきます

どうか 今夜の月夜は 穏やかであってほしい

解説 : 天智天皇が 予見したのかどうかはわかりませんが

この歌を詠んだのちに 664年 新羅が震源の 大きな地震が起き

儺津博多に 大津波が押し寄せた事が 記録されています

豊旗雲とは 地震雲のことです


天の禍 (わざわい) は

人 その訓 (おしえ) の何たるかを 顧みざるときに現る



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写真は 2013年 9月30日 18時7分 香椎浜より 北を見た 夕陽の写真です
その日のトップニュースは
9月27日 11時7分 におきた御嶽山の噴火の 犠牲者捜索のニュースでした








by nonkei7332 | 2015-04-23 16:22 | 日記 | Comments(0)