人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

《 磯 良 の 海 》

hisamitsu.exblog.jp

磯良の海に想いを寄せて

野分の旦 (のわき の あした)



【 野分の旦 】(のわき の あした) とは

秋の暴風雨が過ぎ去った翌日の朝の様子。

台風一過の 朝の様子。 野分(のわき、のわけ)は秋の嵐を表す言葉です




野分の旦 (のわき の あした)_b0325317_15431537.jpg



台風一過 の朝 (野分の旦) は

散歩するのが 私の決まり事になっている

荒ぶる神が鎮まったあとに 被災者の魂に鎮魂の祈りを捧げる

それは 祈りと感謝の儀式でもあるからだ

昨日は思っていたより 雨も風も 強くは無かったが

それでも 吹き戻しの風はかなり強く 窓をかなり揺らしていたようだ


禊を終えた 大地のように 空気は澄み切っていた




野分の旦 (のわき の あした)_b0325317_15441599.jpg



椚 (くぬぎ)の木の下に どんぐりが沢山 落ちていた




野分の旦 (のわき の あした)_b0325317_15451578.jpg



くぬぎ は 古くは 橡 (つるばみ)とよばれ

どんぐりの実やかさの煎汁(せんじゆう)で染色をする

黒に近い灰色 喪服の色のことを 橡色(つるばみいろ)という




野分の旦 (のわき の あした)_b0325317_15455427.jpg



《 紅は うつろうものぞ 橡の なれにし衣に なおしかめやも 》

大伴家持(万葉集巻十八4109)



(訳) : 紅(くれない)で染めた衣はきれいですが

色があせやすいものです

橡(つるばみ)で染めた衣は地味でも

慣れ親しんでいるので やはり良いものですよ


(註釈) : 妻がいるのに若い女に心変わりした

部下を諭した歌だというが

家持のことを 知れば

自分を諭した歌といった方が 正しいかもしれない





『 源氏物語 』二十八帖「野分」光源氏36歳の秋の話


秋のある日 激しい 野分(台風)が都を吹き荒れた。

六条院の庭の草花も倒れ そこへ訪れた 夕霧(源氏の息子)は

混乱の中で 偶然 紫の上 (源氏の妻)の姿を垣間見て

その美貌に衝撃を受ける

その後祖母大宮の元へ見舞いに参上してからも

爛漫の桜のような

紫の上 の艶姿は夕霧の脳裏に焼きついて消えなかった。

野分の去った翌日 源氏は夕霧を連れて 宿下がり中の

秋好中宮を始めとする女君たちの見舞いに回った

玉鬘(夕顔の娘)の元を訪れた時

こっそりと覗き見た夕霧は玉鬘の美しさに見とれると共に

親子とは思えない振舞いを見せる源氏に驚き不審に思う





夕霧と玉鬘の話は「 藤 袴 」にもありましたね

当ブログ 《一願成就》にも関連の記事があり



野分の旦 (のわき の あした)_b0325317_11520176.jpg
藤袴の花










by nonkei7332 | 2014-10-14 15:55 | 日記 | Trackback | Comments(4)
Commented by happysweet1205 at 2014-10-14 19:20
こんばんは
台風 こちらも思ったほどの豪雨 暴風にはならずに
ほっとしました。
台風一過の今日は一日快晴でしたが、気温が上がり大変でした。

フジバカマが綺麗にさいていますね。
アサギマダラが飛んできそうですね。
Commented by nonkei7332 at 2014-10-14 20:25
はぴさん こんばんは
この藤袴は 去年 京都の天龍寺の山門に咲いていたのを写しました
夕霧の想いに繋がる 花でした
旅する蝶 アサキマダラ 鳥肌が立つほど綺麗でしたよ
はぴさんのブログは もっと多くの人に見て欲しいですね
これからも よろしく。
Commented by chie_1952 at 2014-10-15 18:33
こんばんは ♪
台風もたいした被害も残さず過ぎていってくれましたね。

台風 の後で 源氏物語の野分 ですね。
あの頃、台風はとても怖いものだった事だろうと想像出来ます。
源氏の君 も 紫の上 を 夕霧 に見られる事になる。
常とは違う状況だたらこそ、なのですね。

Commented by nonkei7332 at 2014-10-16 00:42
急に 寒くなりましたね
もし 今
天気や気候に関しての情報がまったく入らないとしたら
自然は恐怖以外のなにものでもないでしょう
そうなれば もう神に祈るしか無い
でも そのほうが より人間らしい生き方なのかもしれません
同じように 万葉や 平安の頃の 男と女 のほうが
今よりも ずっと
人間らしい恋愛をしていたのかもしれませんね

by イソラ