秋 の 万 葉 歌
《 誰そ彼と われをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つわれそ 》
10巻2110
誰だあれはと 私のことを聞かないでください
九月の露に濡れながらでも あなたを待っている 私です
夕暮れ時を「たそがれ」というのは
『 誰そ彼 』(たれそかれ)が語源です
《 臥いまろび 恋ひは死ぬとも いちしろく 色には出でじ 朝顔の花 》
10巻2274
ころげまわって 恋焦がれて 死のうとも
はっきりとは顔色には出しません
朝顔(桔梗) の花のようには
《 道の辺の いちしの花の いちしろく 人皆知りぬ 我が恋妻 》
柿本人麻呂11巻2480
道端の いちしの花が 目立つように 私の恋しい人のことを
みんなに知られてしまいました
〈 いちしの花 〉とは 彼岸花のことです
〈 いちしろく 〉とは はっきりと目立つ という意味です
《 秋風の 寒く吹くなへ 我が宿の 浅茅が本に こほろぎ鳴くも 》
巻10 ー 2158
秋風が寒く吹くにつれて 私の庭の 茅萱(ちがや)のもとで
コオロギが鳴いています
白い毛 を 密生した花穂が
一面に風にそよぐ光景は 大変美しい
若い花穂は 古くから ツバナ と呼ばれている。
( 秋の夜の 月かも君は 雲隠り しましく見ねば ここだ恋しき )
10巻2299
あなたは雲に見え隠れする 秋の夜の月のようですね
しばらく会わないと こんなにも恋しい
by nonkei7332
| 2014-09-15 13:01
| 万葉集
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