木槿(むくげ)の花
夏の花といえば 木槿(むくげ)ですね
『 槿花一朝(きんかいっちょう)の夢 』
(人の世ははかないの意)
といわれるように 朝咲いて
夕方にはしぼんでしまう「一日花」です
とはいっても ほんとうは 二三日は咲いています
《 萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝顔の花 》
(万葉集第八巻 : 1538)
山上憶良(やまのうえのおくら)の詠んだ「秋の七草」の歌です
木槿の花は 秋の花 だったようです
万葉集に登場する「朝顔の花」は 私たちが良く知っている
あのヒルガオ科のアサガオとは違って
当時は 朝に咲くきれいな花を
「朝顔(あさがほ)」と呼んでいました
木槿だけではなく 桔梗の花も 朝顔と呼ばれていたようです
源氏物語の二十帖『 朝 顔 』の話。
朝顔の姫は 源氏が若い頃から熱をあげていた
女君の一人ですね
姫君自身も源氏に好意を寄せていましたが
源氏の恋愛遍歴と彼と女君たちの顛末を知るにつけ
妻になろうとまでは思わず 源氏の求愛を拒み
続けてプラトニックな関係を保ち
折に触れて便りを交わす風流な友情に終始したとあります
辛い片恋の物語です。
まれに「槿(あさがお)」と表記されることがあるので
この「朝顔」は木槿のことですね。
韓国では 国の繁栄を意味する花として 国花になっています
そういわれれば 大統領の名前は 『 朴 槿 恵 』
〈槿〉の字が有りますね
『 それがしも 其(そ)の日暮らしぞ 花木槿 』
私を慰めるように 一茶が 一句詠んでくれました。
by nonkei7332
| 2014-07-22 13:24
| 花
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