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《 磯 良 の 海 》

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磯良の海に想いを寄せて

つゆのあとさき



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つゆのあとさきの トパーズ色の風は


遠ざかる 君のあとを かけぬける


・・・・・・・・・


自分から去っていく女(ひと)を

静かに 送る 〈さだまさし〉 の歌だ


別れていく女(ひと)を 決して なじるわけでもなく

悲しみにひたり おろたえている訳でもなく

さりとて 追いかけることもせず

〈さだ〉 に言わせると 

破局に際して 男が示す 最後の誠意であり 

後悔も 未練も 或いは 怒りまでも 

包み込んで見せる ポーズであり

言い換えれば 寛容という 美辞 であると


『 ごめんなさいと一言 ありがとうと一言 』


そういう 女(ひと)の言葉を 聞きながら


『 君は 最後まで 優しかった 』


としか言えない 男の女々しさを

笑えない 私がいた



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忘れられない 心の景色 がある

その日は朝から 水色 の雨が降っていて
 
公園には たくさんの紫陽花がさいていた

私は 公園の外れにある図書館にいた

二階のベランダから 

私は雨を見ているふりをしながら

雨の向こうに 誰かを 探していた 

胸は息ができないくらい 苦しかった

その女(ひと)は 露草色(つゆくさいろ)の傘をさして 

空色(そらいろ)のレインブーツをはいていた

玄関の前で立ち止まると 

ゆっくりと傘をたたん
 
上を見上げると 

すぐに 私を見つけてくれた

何秒かのあいだ 二人は見つめあっていた

その間 地球も時間も動きを止めた

私の息も止まっていた

天色(あまいろ)の風景のなかで 

その女(ひと)の頬だけがほんのり

乙女色(おとめいろ)に染まっていく

そして はにかむように

その まばゆい頬を 笑顔に変えてくれたから

私は やっと 息をする事ができた 


私 も その女(ひと)も 確か 十八の頃


トパーズ色の風 が吹いていた。









by nonkei7332 | 2014-06-24 08:06 | 日記 | Comments(0)

by ヒサミツ